創栄図書印刷株式会社 | 『文庫本』ってなに⁉

『文庫本』ってなに⁉

2024/09/25

  • 創栄文庫(組版)
  • 創栄文庫

こんにちは…第一製造部 IRIMOです。
今年も残暑は厳しいようですね…
夏を元気に乗り越えても疲れが出てくる時期です。
ONとOFFをうまく切り替えて、残暑も元気に過ごせますように…
ゲリラ豪雨や地震に備えての身を守る準備も忘れずに…ですね

さて、今回は「文庫本」について探ってみました。
文庫本がいつの間にやら、部屋を占領していっている今日この頃…
がんばって読まなくては、整理整頓も先延ばしに…汗
でも、本なので並べているとインテリアにもなっているのでは?

○文庫本ってなに!?

文庫本とは、小さいサイズの叢書(本のシリーズ)のことを言い、海外書籍で言う「ペーパーバック」のことなのだとか。

ペーパーバックとは、簡単にいうと、本の製本方法の名称の一つなのだそうで、海外ではソフトカバーと同一の意味で使われることもあるのですが、日本ではカバーのない本、表紙と本体が一体化している本のことを指しているようです。

製本には、上製本(ハードカバー)と並製本(ソフトカバー)があります。
単行本は、ハードカバー・ソフトカバーのものがあり、文庫本はソフトカバーとなっています。
単行本とは、単独で刊行される本のことを言います。

たしかに、文庫本のハードカバーは、お見掛けしたことがないですね…

○文庫本の特徴

◇発売の時期
単行本として出版された作品の内、人気作品を更に普及させるため、1~3年後に安価な値段で発売されます。

◇サイズ
単行本よりも、より広い読者層をターゲットとしているため、手に取りやすいサイズ感や価格帯に設定されています。
単行本はB6判(W128×H182mm)や四六判(W127×H188mm)なのに対し、文庫本はA6判(W105×H148mm)。これは、スーツやコートのポケットにも入るくらいの大きさ持ち運びにも便利なサイズです。
文庫本はすべて同じサイズではなく、数ミリ大きいものもあるのだとか。
児童向けの文庫は高さが約18cmと、やや大きいサイズのものが多いそうですよ。
また、1991年(平成3年)、老眼などで視力が衰えた読者向けに判型と文字のサイズを1.2倍に大きくされた文庫本もあるようです。

◇価格
価格は、文庫本は1,000円未満の値段がほとんどです。
単行本は1,000円以上するものがほとんどです。
ですが、最近では1,000円以上する文庫本も増えてきているのだとか…
そういえば、分厚い文庫本もたまに見かけますよね。

◇内容
文庫本にはたいてい裏表紙にあらすじが書いてあります。
また、単行本の内容に対し、訂正や加筆があったりすることも。
解説やあとがきなどが加えられていることも多いです。

たしかに、裏表紙にあらすじが載ってますね。見ちゃいますよね(笑)

ちなみに、漫画の文庫本もあるようです。
過去に単行本として刊行された漫画が、文庫版コミックスとして販売されているのだとか。
完結済みの作品がほとんどのようで、新しい作品だけでなく、単行本では入手しにくい70年代や80年代の名作も多いのだとか。
単行本よりも収録話数が多いものがほとんどのため、手頃な価格で揃えることができるとのことですよ。

○単行本派? 文庫本派?

本を読むときは、「単行本」派と「文庫本」派がありそうですが、どちらにも魅力があります。
単行本は新作として刊行されるのに対し、文庫本は数年経てから発売されることが多いため、タイムラグが生じます。
まれに、単行本と文庫本を同時に発売することもあるようですが、一般的ではないとのこと。
単行本はソフトカバーのものもありますが、ハードカバーだと表紙も頑丈で作りがしっかりしているので、型崩れしにくく長期保存に適していたり、文庫本は持ち運びも便利で、保存もあまり場所を取らないなどなど。
また、贔屓にしている作家の作品ならば、単行本も+αされた文庫本も読みたいってこともありますよね。
ん~、やっぱりどっちも魅力的で、どっちも派です(笑)

○文庫の由来

書庫を意味する和語の「ふみくら」に対し、漢字のふみ(文)、くら(庫)の二字をあてた「文庫(ふみくら)」に由来する和製漢語なのだそうです。
書庫としての意味から転じ、後にはある邸宅や施設の中の書庫に収められた書籍のコレクションそのものおよびコレクションを収める施設を指す語として用いられるようになったのだとか。

小学校の時に教室の中に置いてあった「学級文庫」なんかもそういうことですかねぇ…

出版社から出されている文庫本レーベルも「●●文庫」ってなってますよね。
新潮社さんだと「新潮文庫」、岩波書店さんだと「岩波文庫」、KADOKAWAさんだと「角川文庫」などなど
本屋さんなどでも知らず知らずのうちに触れあっていたのですね。

○文庫本にも歴史が…

イギリスでは1886年から1890年にかけてカッセル文庫(Cassell National Library)が刊行。
ドイツは1867年にレクラム文庫(Reclams Universal Biliothe k)が創刊されました。

刊行とは、書籍・図画などを,印刷して世に出すこと。
創刊とは、新聞・雑誌など,定期刊行物を新しく刊行すること。

日本では1903年創刊の袖珍名著文庫(冨山房)が始まりで、レクラム文庫やカッセル文庫に刺激され、豪華本の帝國文庫に対し、廉価版によって名作の普及を目指したのだそうです。
帝國文庫とは、文庫の名を持つ初期の叢書。1893年(明治26年)創刊されていますが、これは四六判クロス装・全冊1,000ページ以上という豪華本であって、現在の小型の廉価本としての「文庫本」のイメージからは遠いものであったようです。
また、「袖珍」とは「衣服の袖に入るくらいに小型なもの」という意味なのだそうで、携帯に便利な小型の本はそれまで「袖珍本(しゅうちんぼん)」などとも総称されていたそうです。

欧米のペーパーバックと同じように当初はジャケット(カバー)は付いていなかったのですが、戦後の多くの文庫はジャケットを付けるようになり、1983年より岩波文庫さんにもジャケットが付けられるようになったのだとか。

現在の文庫本では、天(本の上側面)を綺麗に切り揃えるものが多いですが、岩波文庫さんや新潮文庫さんなどではそれを行っていないようです。
そういえば、ページの縁が若干ずれ、断面がギザギザしています。
この理由については、「フランス装風の洒落た雰囲気を出すため」や「スピン(紐状の栞)を先に貼り付けるために断裁ができない」と言われています。
気になっていたのですが、そういうことだったのですね。

これからも、「文庫本」どしどし読んでいきたいです!

今回は、ここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
最近では、ブックカバーもいろいろなものがあり、好きなブックカバーをつけて読む文庫本は、ワンランクアップな気分に♪
通勤途中の電車の中も読書を楽しみます! 今年も読書の秋かなぁ~

文庫本

 

中秋の名月

中秋の名月とは、旧暦の8月15日の夜に見える月のことなのだとか。えっ!?
現在の暦では、9~10月頃にあたるそうです。そうだったんですね…ホッ(笑)
でも、結構幅がありますね。これは、秋分の日以前で、一番近い新月の日を1日目(旧暦8月1日)とし、15日目を中秋とすると決められているからなんだそうです。ということは、毎年「日」が変わるのですね。

中秋の名月は、「一年で最も美しい月」と言われています。
それは…
・月の高さが見上げるのにちょうどいいこと。
・秋は空気が澄み渡り、月が鮮やかに見えること
などが挙げられています。
たしかに、季節によって高さも違うし、いつもより一段と輝いているようにも思います!

そして中秋の名月が、満月とは限らないのだとか。
それは、新月から満月までの期間が一定ではく、13.9日~15.6日と幅があるからなのだそうです。
毎年、満月やと思ってました。微妙な差っぽいので肉眼では満月かもですね(笑)

◇中秋の語源
「中秋」とは秋(旧暦7~9月)の真ん中なので「中秋」と言われるそうです。

起源は、古代の中国なのだそうですよ。
古くからこの日は月を祀る日とされ、満月を鑑賞する風習があり、現在では「中秋節」と呼ばれ、中国の祝日にもなっているようです。
もともと日本ではこの日の月を「芋名月」といって、里芋をお供えする収穫祭が行われていたそうです。
そこに、中国の中秋節が伝わり、今日の「お月見」の風習が生まれたのだとか。

◇お月見
中秋の名月といえば、お月見ですよね♪
月は愛でるだけではなく、信仰の対象でもあり、そこで、月にお供えをするという習慣が生まれました。

そしてお月見の定番といえば、月見団子ですよね。
満月にちなんで、丸いものが多いようです。また、収穫祭にお供えした里芋にちなんで丸い、という説もあるのだとか。なるほどなるほど…

月の光にあてたお供え物を食べると、月の力を得ることができるとされているそうですよ。
残暑疲れの中、お月様のパワーを受けて、元気に秋を迎えたい今日この頃です♪

中秋の名月 2024

 

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